トクデンは特殊溶接材料の製造販売から特殊工事の施工に発展し、さらにそれらの技術をベースに事業領域を拡大するとともに
溶接関連技術を通じて、産業界の発展に寄与してまいりました。
これからも更なる飛躍を目指し、変わることのない顧客第一主義を掲げ、限りない挑戦を続けてまいります。
今後とも変わらぬご愛顧と、なお一層のご支援を賜りますよう心からお願い申しあげます。
感謝を胸に、これからも「技術のトクデン」として私たちにしか創れないものを創り続けてまいります。
時代とともに振り返るトクデン70年の歴史
1955年(昭和30年)溶接工事開始
戦後復興の道を歩んできた日本は、「もはや戦後ではない」のかけ声を合図に、本格的な高度成長の時代をむかえようとしていましたが、モノの供給がまだ十分ではない時代。
そんな時代に、摩耗したモノを再生補修するトクデンの溶接技術は、時代のニーズにマッチしました。溶接材料の製造販売を行う会社から溶接施工の分野へ進出。当時は、製鉄所の製鋼工場のインゴットケースや分塊工場のトングポンチの補修からスタートしましたが、現在では、さまざまな分野で年間1万件を超える溶接工事を施工しています。
1977年(昭和52年)会社更生手続き開始
当時のトクデンは、電池の製造販売や鰻の養殖、不動産など、多業種に渡りビジネスチャンスを模索していました。中でも、ゴルフ場の経営は、社運を賭けたビッグプロジェクトでした。しかし、第一次オイルショックに端を発した物価の狂乱は、ゴルフ場の建設費を大幅に高騰させ、建設費は、計画の倍以上に膨れ上がりました。結果、ゴルフ場開場から1年余りで会社更生手続きの申し立てを行うに至りました。そんなどん底の最中にあって、最後にトクデンを救ったのはやはり人でした。ゴルフ場経営で莫大な借金を抱えても「本業の溶接がダメになったわけじゃない」と、お客様も社員もトクデンを見限りませんでした。「トクデンの技術力が無いと困る」と、多くのお客様が応援してくれたのです。辛酸を舐めた当時の経験は「ひたむきに本業にのみ邁進すべき」という訓話として今でもトクデンで語り継がれています。
会社更生からの再建と躍進を支えた製品開発・事業拡大
1981年(昭和56年)FCW製造販売開始
会社更生中にあっても、本業の溶接へのプライドは持ち続けました。時代の流れがアーク棒から半自動溶接に変わろうとしているころからフラックス入りワイヤ(FCW)の研究開発に着手し、FCWの製造販売を開始しました。現在のFCW生産工場である尼崎工場における第一号製品は、サブマージ溶接用のフラックス入りワイヤでした。
1981年(昭和56年)PTA装置完成
溶接材料として細径のMIGワイヤ、TIG線材として成立し難い高合金系材料を粉末材料とすることにより、溶接の自動化を目指し、国内ではいち早くプラズマ粉体肉盛の装置の開発に着手しました。この構想から3年以上の歳月をかけ、装置・施工・材料の専門家を結集し、国内で初めてPTA装置を製造販売するに至ります。この国内初のPTA装置の製造・販売は、トクデンを「技術のトクデン」たらしめるものとなりました。
1986年(昭和61年)トッププレート製造販売開始
一般的には「硬いこと」と「割れにくいこと」は、相反する関係にあります。しかし、現場で求められるものは『摩耗しにくく割れにくいモノ』。そんな理想の品質を追い続けた結果、トクデンの耐摩耗用クラッド鋼板「トッププレート」は完成しました。凹凸がほとんどない美麗な表面と高硬度・少ない歪みを実現した極めて高い品質の「トッププレート」は、今では用途に合わせた種別を揃え、製缶物まで製作し、トクデン最大のヒット商品となるまでに成長しました。
1983年(昭和58年)ダイカスト関連工事の受注を開始
スクラップ置き場に、アルミダイカストの設備部品が置いてあるのを見つけた当時の営業員は、設備部品の内径を肉盛溶接し、補修すれば再度使用できることをお客様から教えていただきました。当時の特殊電極では、内径の肉盛溶接が困難であったため、お客様の協力のもと『内径自動溶接機と溶接材料』の製作に取り掛かりました。必要とされる寸法精度が1/100mm台と非常に高く、何度も失敗を繰り返し、ようやく満足できるものが出来たのは、お客様に教えてもらった時から数年後になりました。お客様の最初の言葉から約40年。今ではダイカスト関連工事は、特殊電極のオリジナル商品として唯一海外にも商品を販売するまでに至っています。これからも特殊電極は、お客様からの言葉を絶対に無駄にすることなく、挑戦を続けてまいります。
2003年(平成15年)環境関連装置販売開始
環境関連装置事業の始まりは、大手自動車会社との信頼関係の中から従業員を出向させたことにより「既存のものではない全く新しい装置」の共同開発を依頼されたことです。それが鋳造工場向けの脱臭装置です。溶接事業からはおよそ発想できない装置開発でしたが、技術への挑戦を原点に、脱臭装置に続き「鋳造粗材の冷却装置」の開発実用化を成功させ、結果的に冷却装置だけで国内外含め大手自動車会社複数社へ約300台の販売を実現しました。
またその実績により、脱臭・冷却装置以外の各種、鋳造機周りの設備、装置の設計・製作に拡大、現在ではエンジニアリング事業を基軸に無人車・ロボット等を含めた自動化設備のプロジェクト案件の受注を実現、事業拡大が漸次実現しております。加えて、検査装置などの販売に参入、また海外市場への積極的拡販を進めた事も事業拡大の実現に大きく寄与致しました。今後も培ったノウハウとあくなき探求心で、客先ニーズに基づく提案型の装置開発、実用化に邁進します。
株式上場と海外進出、新たな時代への幕開け
2006年(平成18年)JASDAQ市場 上場
社会的信用度、知名度の向上、資金調達力の強化を通じて、経営基盤の強化充実を図るため、JASDAQ株式市場への上場を果たしました。
社会的責任を果たすべく、研究・技術・営業の三位一体の体制を深化させ、これまで培ってきた技術力と使命感で、社会に貢献してまいります。
2013年(平成25年)タイ・バンコクにTOKUDEN TOPAL CO., LTD. 設立
2017年(平成29年)中国南通市に特電佐鳴(南通)機械製造有限公司 設立
トクデンの活躍の場は、国内だけにとどまりません。「世界のモノづくりとともに。」そんな思いから、海外へ飛び出しました。当初は異文化の壁に阻まれることもありましたが、今では信頼できる従業員も増え、しっかりと現地の工業界に根を張りつつあります。
「技術のトクデン」の良さを残しつつも現地の風土・商習慣に柔軟に対応しながら、新たな価値を創造するモノづくりに挑戦し続けていきます。
2019年(平成31年)3月期売上高100億円突破
2006年の株式上場以来、トクデンは「売上高100億円達成」を目標に事業に取り組んできました。一時は、売上高90億円近くになり、目標達成が目前に迫りながらも、リーマンショックの影響により売上高は大きく落ち込み、売上高100億円達成は、まさに「夢」だと思われました。しかしながら従業員が日々業務に対し、真摯に取り組んだ結果、長年の目標を達成することが出来ました。従業員一同、今後もオリジナリティある製品や技術、そして地道で誠実な対応により「技術のトクデン」の浸透を図り、成長を続けてまいる所存です。
2020年(令和2年) 会社設立70周年
2020年、特殊電極はおかげさまで設立70周年を迎えました。幾多の苦難を乗り越え、お客様に支えられながら歩んだ70年。これからも社員一同「技術のトクデン」として私たちにしか創れないものを創り続けてまいります。